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2012年03月20日

ランドセル


息子が小学校を卒業しました。


その晴れの日の朝のことです。

小学校生活最後の最後まで

時間ギリギリに慌ただしく身支度をしていた息子は

卒業式の日だというのに

ランドセルを背負って家を出ようとするのでした。

「ランドセルいらないでしょ、卒業式なんだから」

私が笑いながら言うと

「いるんだよっ!持って行かなきゃいけないのっ!」

真顔で答えた彼は、そのままバタバタと家を出て行きました。


まったくもう。荷物になるだけなのに・・・


首をかしげながらも私は身支度を済ませ

息子より少し遅れて式に向かいました。


ランドセルの謎は、卒業式が終わった後に解き明かされました。


式が終わり、在校生や先生が卒業生を送り出すセレモニー。

花で飾られたアーチと拍手の中を

卒業生が誇らしげな笑顔で歩いてきました。

そしてふと彼らの背中に目をやると・・・


なんと、全員がランドセルを背負っていたのです。


いつも見送っていたランドセルの背中でしたが、その姿もこの日が最後。

あらためて胸に刻む機会を下さった、小学校の粋な計らいに感激しました。

息子の背中を見つめていると、まだ小さな体にピカピカのランドセルを初めて背負い

恥じらいながらも嬉しそうに笑っていた幼い顔が

昨日のことのように思い出されました。


初めて登校する日は、ランドセルの重さで転んでしまうのではないかと

冷や冷やしながら見送ったっけ。


あの日、希望と喜びと、ちょっぴりの不安が詰め込まれていたランドセル。


6年の時を経たそれは、うんと逞しくなった背中の上にありました。

その中に今度は、沢山の経験と、かけがえのない思い出と、

未来への強い意志を詰め込んで。

胸をはって門出をする息子の姿に、親ばかながら目頭が熱くなりました。


この6年間、彼のランドセルを素敵なものでいっぱいにして下さった

先生方や友達に心から感謝します。


そして息子よ、卒業おめでとう。

母はいつでも、あなたを誇りに思っています。

ランドセル