「ミスサイゴン」の行われている劇場は、
ロンドンの中でも荘厳で歴史ある建物でした。
ニューヨークでミュージカルを見るように、
ジーンズを穿いて、中に入って驚きました。
観客はほとんどがカップル。
しかも日本だとまるで結婚披露宴に出席するような
男性はネクタイ着用、女性はロングドレスという装いです。
場違いな格好の恥ずかしさと
人気ミュージカルの「品格」を感じました。
その内容も一流でした。
時代は、ベトナム戦争末期、サイゴンの陥落直前。
戦争が、永遠の愛を誓ったアメリカ人兵士と
ベトナム人女性の運命を引き裂きます。
アメリカ人兵士は帰国して、別の女性と再婚。
バンコクを訪れます。
一方、ベトナム人女性は、アメリカ人男性の子供を出産し、
母子で父であるアメリカ人男性に会うため、
苦労を重ねながらバンコクまでたどり着きますが・・・。
ヘリコプターや高級車の登場で圧巻のステージ。
それでいて、矛盾に満ちた世の中や
罪悪感に悩む人間の心の繊細さを
笑いや切なさ、それにたくましさを交え、
巧みに紡いでいきます。
フィナーレとととも、観客は総立ちの拍手。
当時、世界で最もチケットが取れないミュージカルと
謳われた内容でした。
その後、これまでのヒットミュージカルの王道のように
ニューヨークのブロードウェーでも上演されました。
ヒットを飛ばし、大きな話題にもなりました。
しかし、退役軍人の団体などが「ベトナム戦争に
否定的なミュージカルだ」と、不快や異議を唱えました。
前回のブログにも書きましたが、当時は湾岸戦争が始まり
当時の状況がそうさせたのかもしれません。
湾岸戦争が始まったのは、ブッシュ(父)大統領の時。
後のイラク戦争は、その長男が大統領の時でした。
ブッシュ大統領親子は、好戦的とも言われました。
そんなブッシュ大統領から、時代は今、オバマ大統領へ。
オバマ氏は「チェンジ」を合言葉に「イラクは終息へ、ただし
アフガニスタンへは継続」姿勢を貫くようです。
アメリカが日本に対し、インド洋での給油以外にも支援を
要請している事実もあります。
そんな歴史と現実を考えさせられる
「ミス サイゴン」は、
秀逸のミュージカル作品です。
余談ですが、その後、私がミュージカルを見ようとして
あまりの人気で、とうとうニューヨークで
チケットが取れなかった作品があります。
それは「ライオン キング」
博多座の「ミスサイゴン」は大好評のうちに終わりましたが、
「ライオンキング」は福岡シティ劇場で8月までの延長が決まりました。
ネット検索で見る限り、
地方都市で、この二大作品を見られたのは、世界で福岡市だけです。
きっと世界中のミュージカルファンが羨望のまなざしを送っていたことでしょう。
以上